生活習慣病ってどんな病気なの?
「食習慣・運動習慣・休養・喫煙・飲酒等の生活習慣が、その発症や進行に関与する疾患」と定義されます。代表的なものに高血圧症、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、メタボリックシンドロームなどが挙げられます。
多くは自覚症状なく進行し、突然深刻な合併症を引き起こす可能性があります。腎臓の機能も徐々に低下してしまうこともあり、健康診断の結果などを確認して早期に適切な治療を受けることが重要です。
「生活習慣」病という名前の示す通り、早期であれば生活習慣を改善することで進行を止めることができます。ですので当院では投薬のみならず、初期段階からの各市町村役所での栄養指導依頼や生活習慣の聞き取り、アドバイスも行っています。一緒に方針を立てて取り組んでいきましょう。
高血圧症とは、血圧が正常値よりも高い状態にあることをいいます。
高血圧症は多くの場合、自覚症状がほとんどないままに進みます。しかし放置しておくと、血液が流れにくくなります。血液はさまざまな細胞に酸素や栄養素を送り込む役目を担っていますが、高血圧症になるとこれがうまくいかなくなり、多くの合併症を引き起こすようになります。
高血圧は、ときに心筋梗塞や脳卒中のような命に関わる疾患を招きます。そのため、早急に130/80mmHg未満の状態になるように血圧をコントロールしていくことが求められます。運動不足や塩分の摂りすぎは高血圧症のリスク要因となるため、まずはこれを避けましょう。また、必要に応じて投薬治療を受ける必要があります。
私たちが摂取した食べ物は、「ブドウ糖」となって体を動かすエネルギーとして使われます。
そしてこの糖の代謝に関わるものとして、「インスリン」があります。インスリンはブドウ糖をエネルギー源として細胞に取り込む役割を果たすとともに、ブドウ糖が血中に残りすぎないように調整するホルモンでもあります。
しかし、摂取する食べ物の量が多すぎたり、インスリンの出が悪かったり、インスリンの力が弱かったりすると、糖が体内に残ることになります。この残った糖は心臓病や腎不全、四肢の切断などにも繋がるものです。そのため、糖尿病もまた、早期の発見と治療が必要です。合併症も多く、注意深く症状を確認していきます。
※糖尿病に関しては、生活習慣以外が要因となることもあります。
脂質異常症とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質代謝に異常が出ている状態をいいます。
脂質異常症状態が続くと、血管の中に余分な脂がへばりつきます。このへばりついた脂は、血液の流れを阻害し、細胞に栄養と酸素がいきわたることを邪魔します。その結果、心臓や脳などに関わる重い病気をもたらす可能性があります。また、脂質異常症の人は、腎臓病も非常に患いやすくなります。
脂質異常症は、いわゆる「グルメな生活」+「運動不足」によってもたらされることが多いといえます。そのため、脂質異常症もほかの生活習慣病と同じく、日ごろの生活スタイルの見直しが重要です。