舌下免疫療法

現時点では維持用量のみ受け付けております。

新規は時期的な問題からも受け付けておりません。

舌下免疫療法とは

舌下免疫療法とは、アレルゲン免疫療法(減感作療法)の一種で、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、アレルギー反応を弱めていく治療法です。現在は「スギ花粉症」か「ダニアレルギー性鼻炎」に適応があります。

ただし、開始時期としてはスギ花粉に対する舌下免疫療法の治療開始時期は花粉の少ない時期、おおよそ6月上旬から11月下旬頃が望ましいとされております。スギ花粉の飛んでいる時期の治療を開始することができません。ダニアレルギー性鼻炎についてはいつでも治療を開始できます。

一般的には5歳以上から65歳未満までが治療適応とされていますが、後述するアナフィラキシーショックなど、重症な副作用が出た際の小児受け入れ体制を考慮し、当院では新規患者は高校生以上から65歳未満での治療とさせていただいております。何卒ご了承下さい。

1日1回の少量の治療薬から服用を始めます。その後決められた一定量を1ヶ月ごとに受診していただき、数年間(3~5年)かけて継続して服用します。短期間で終了する治療ではないためご了承下さい。初回の服用は当院で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。


初回からの開始の方も、既に維持量を投与されている方もどちらでも対応できます。


対象となる方

・高校生以上(15歳以上)から65歳未満の方。

・くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状を少しでも軽くしたい方

・内服薬や点鼻薬の効き目が良くないと感じている方。



対象とならない方

・中学生以下、もしくは65歳以上の方。

・対象となるアレルギー(スギ花粉症、ダニアレルギー)ではない方。

・1ヵ月に1回、ご本人が受診することが難しい方。

・1ヵ月以内に抜歯した、もしくは口内炎などの症状がある方。

・気管支喘息の方。

・悪性腫瘍、自己免疫疾患など、免疫力の低下している方。

・重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方。

・妊婦や授乳中の方。

・全身ステロイド薬を内服もしくは注射薬投与を受けている方。

(点鼻薬や点眼薬は問題ありません。)

・非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOIなど)を服用中の方。




長所と短所

◯長所:

・自宅で治療を続けることが出来る。

・大きく効果が得られた場合、他のアレルギー薬が不要になる可能性がある。

・3~5年の治療で効果が現れた場合、治療終了後も効果の持続が期待できる。



◯短所:

・治療は3~5年と長期間を要し、毎日の服用が必要となる。

・すぐに効果が出ない。

・服用前後5分間は、うがい、食事を避ける。

・服用前後2時間は、激しい運動、アルコール摂取、入浴を避ける。

・無効例が20~30%はある。

・ヒノキ花粉にはあまり効果が期待できない。




副作用

・口の中のむくみ・腫れ、かゆみ、不快感、異物感

・唇の腫れ

・喉の刺激感、不快感

・耳のかゆみ

・くしゃみ、鼻水

・腹痛

・アナフィラキシー・アナフィラキシーショック


多くの場合は一時的な症状ですが、治療開始初期に現れることがあります。

特に服用後30分以内は注意が必要で、軽症であれば抗アレルギー薬を服用します。

しかしアナフィラキシー(喘鳴・呼吸困難、意識障害、動悸・冷汗)アナフィラキシーショック(上記症状に収縮期血圧90mmHgを下回った場合)緊急性が高いです。院内で発生した場合、当院で処置を行いながら協力医療機関へ救急搬送します。当院以外でそのような症状が出た場合は救急要請をお願いします。初回投与時に何かあったときの紹介状を記載しておきますので、そちらも合わせて携帯して下さい。


検査・治療の流れ

◯初回の診察

問診票・同意書を記載をして頂きますので診察終了時間の1時間前にはご来院頂き診察を行います。

お薬手帳や過去のアレルギー検査結果をお持ちの方は持参して下さい。

原則、1年以内にアレルギーの血液検査を受けていない方には血液検査を行って頂きます。


◯初回投与日

約1週間後に来院して頂きます

説明、初回の服用など時間を要すため、診察終了時間の1時間前までにご来院下さい。

血液検査の結果や問診票をみて、舌下免疫療法の適応かを決定します。

当日の体調に問題ない場合、病院内で1回目の服用を行います。服用後30分は院内に待機していただきます。問題なければこの日は終了となります。


◯初回投与より1週間後

初回投与日の1週間後に再来院して頂き、治療継続可能な場合、維持用量の処方となります。アレルゲン量が大きくなるので2週間後にまた経過を診させて下さい。


◯維持用量より2週間後

特に副作用も目立たないようでしたら、それ以降は1ヵ月に1回の来院となります。引き続き定期受診をお願いいたします。